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合わせ技の妙 ~PasePase 武庫之荘店~ vol.1 


「たまには蕎麦以外のものを」。
ということで、今回は意表を突いてスペイン料理について。
いわば箸休めのようなものである。
でも箸休めとするには、美味し過ぎたかもしれないけど。


ある土曜の昼、尼崎にて所用。
ランチはPasePase 武庫之荘店にて頂くことに。

PasePase 武庫之荘店 薀蓄

ちなみに、PasePaseは「パセパセ」と読み、"Pase,pase"→「どうぞ、どうぞ(お通りください、お入りください)」といった意味である。
もう一つちなみに、「武庫之荘店」としながらもここしか店舗がない。



店内は、その内装や調度品・装飾品で程ほどに「スペイン」が演出されている。
室内照明は、落とされ気味。
とある理由でスペイン仕様に慣れ切ってしまっている私は特に何も思わなかったが、そうでない方々には何か感じるものがあるかもしれない。
なお、従業員の方々や他のお客さんたちがたくさんおられた故、写真を撮ることはできなかった。

頂いたのは、土日祝日仕様の「パエジャランチ(デザート付き)」。

まずはタパスが4品、ワンプレートで供される。
野菜のマリネにトルティージャ(スペイン風オムレツ)、イイダコのアンチョビ和え、小エビのカナッペ。

PasePase 武庫之荘店  タパス

トルティージャはジャガイモのふくよかさと素っ気無くはない程度に味付けられたタマゴのバランスが実に良い。

イイダコのアンチョビ和えは、イイダコの素材の味とプリプリ感に、塩漬けされたアンチョビの塩気とこの魚の香ばしさがよく合っている。

小エビのカナッペには、擂り潰されたパセリか何かで緑色に染まったガーリックバターが塗られている。
トーストされたフランスパンと小エビの香ばしさに、控え目なガーリックの風味、レタスとパセリの緑黄感、パンの小麦感などなど、たった一口で、これだけの味わいがある。
美味しい。
まあレタスが軽く変色していたことは気になったけど、大した問題ではない。

何気に凄いな。
このタパス4品だけでも、作り手のセンスの素晴らしさが垣間見える。
異なる味わいや食感のものを組み合わせ、それを美味しいものとして仕上げる「合わせ技の妙」がある。

PasePase 武庫之荘店 スープとサラダ-1

その後にスープとサラダを経て、「カキのパエジャ」へ。

通常パエリアにはムール貝が用いられているのだが、このパエリアには代わりにカキが用いられている。

PasePase 武庫之荘店 カキのパエジャ

まず肉厚のこのカキのプリプリとした食感やミルキーな旨味が、単純に美味い。
オーブンでの火の通り加減も良い塩梅。

そして何といっても、米にも味わいが良く染み込んでいるのが美味い。
それなりに名の通ったレストランであっても、単なるサフランライスとしかいえないパエリアに出会うことがあるが、ここのは違う。
きちんと食材の味が染み込んでいる。
本来ならばややクセの強いローズマリーを隠し味の如くほのかに利かせ、清涼感を加味しているのも憎い。

「パエジャのお焦げは美味しいから、絶対に食べなさい」。
そんな風に奨励されることが度々ある。
この店でもしかり。
うん。
確かに美味しい。
でも私が思うには、お焦げに頼らずとも美味しいパエジャこそが本当に美味しいパエジャだ。
この店のパエジャもまた、お焦げ要らずの素晴らしいパエジャである。

余談だが、私にとってお焦げ全般はプリンにおけるカラメルソースと似たようなもの。
あれに頼ると、確かに一定の美味しさが保証される。
だけど、あの味の濃さも関連するのか、他のプリンと良く似た味の一律の美味しさにも思えてしまう。
だからカラメルソースだけど、絡めないようにしている(親父ギャグは、さらっとドライに言ってしまうに限る)。

パエジャを食べ終えると、本日のデザートが供される。

PasePase 武庫之荘店 デザート

バニラアイスの下にはクリームチーズがあり、それらの中間にイチゴとキウイが挟まれている。
甘み控え目のバニラアイスに同じ血を引く(つまり、牛乳からできている)クリームチーズの濃厚さが絡み、そこに2種のフルーツが甘みと酸味が絶妙なアクセントを加えている。
添えられているパセリをちぎり、共に食すのも良い。
わぁ…。
このデザートでさえ、合わせ技の妙が光っている。
幹も根も太く、さらには枝が多くて葉が色とりどり。
そんな樹木を想起させる。


まあ一つだけ難を言えば、サングリアの味が凡庸だったことが挙げられる。

PasePase 武庫之荘店 サングリア

おそらく漬け込んでいるフルーツの種類がさほど多くないこと、アルコールは赤ワインのみかせいぜいもう一種類のアルコールが使われているだけであろうこと、そしてシロップのような糖分への依存度が高そうな強い甘みがあることなどが理由であろう。
これは他店とあまり変わらなかったかな。




同じ外国料理でもフレンチやイタリアンと異なり、まだまだレストラン間の競合が激しくないスペイン料理。
料理の特性を日本人仕様にアレンジ(というか、味や香りの濃さを緩めり薄めたり)するだけのレストランも少なくない。
しかしこの店の料理は違う。
作り手が「もっともっと美味しいものを」と追求し、スペイン料理の特性を活かしながらも独自性が加味されている。
そして何より、それが不味い創作性にならず、深みと多様性を兼備する美味しさへと昇華されているのが素晴らしい。

PasePase
なかなかやるじゃないの。

(2010年2月訪問)

○ PasePase 武庫之荘店(公式HP

住所:兵庫県尼崎市南武庫之荘1-20-5(地図
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:15) 18:00~22:30(L.O.21:30)
定休日:木曜日
電話番号:06-6431-1166 
備考:駐車場無し

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蕎麦、中華そば、側(そば。つまり私たちの身近にあるもの)等、ソバ全般に関して。

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