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宇治プチ探訪 ~しゅばくの前に~ 

宇治橋

宇治市。
宇治拾遺物語や宇治茶、10円玉の平等院鳳凰堂などで広く知られる。
京都市に住む私にとっては近くて遠い地であり、あるいは近いからこそ遠い地でもある。
「いつでも行けるや」との思いは、いつだって歩を進めない。

だから時々、私は自分に嘘をつく。かつぐ。
「その『いつ』は明日来るんだってさ」
明日?何とも急な話である。
こうなると自ずから重い腰を上げざるを得ない。急ぎ足で、どこに行くのか決めたり行く先々のことを調べてみたり。
「時間がない!」との思いが、いつだって歩を進める。
怠惰な人間の典型例である。

そんなこんなで平日が休みのとある朝、宇治へ行ってみた。




京阪電鉄の宇治駅で降りてすぐ、宇治橋がある。何でも日本最も古い橋の内の一つなのだという。
詳しい説明がなされた表示板もある。

宇治橋2

なるほど。歴史の荒波にさらされ、死と再生を繰り返して現在に至っているそうだ。
とはいえ、実際にこの橋を目にすると歴史的な色合いや積み重ねをあまり感じられない。むしろ「古いカタチをした現代的な橋」といった印象も抱かされる(何せ車道があるから)。
宇治橋自体からは、いにしえへの思いを馳せることも想像を働かせるのも難しそうだ。
でも、橋の上からの眺めが良い。

宇治橋から1-1

宇治橋から2

欄干に手をかけ、どこを見るともなく見る。
春の陽気を浴び、川上からの風に吹かれる。
それだけだ。
それだけでも、ここに来て良かったと思える。

心身が解きほぐされた後、また歩き出す。
表示板のある宇治橋東詰めから朝霧通りへ。
宇治茶屋、土産物屋、イタリアン、喫茶店、食堂、カフェなどが軒を連ねている。
「さて。まずは腹ごしらえをするか」
そうしてやって来たのは、手打ち十割そば しゅばく

手打ち十割そば しゅばく 店前

いや、嘘だ。
流石に朝の9時過ぎではまだ蕎麦屋は開いていない。
最初の目的地へと至る途上に、この蕎麦屋があるだけだ。
ここには昼前に訪れる予定である。

しゅばくからもう少し下ると、分かれ道に突き当たる。

宇治 松

傾いていて、路上に迫り出している大きな松の木。
大地震が来ればどうなるのか。近隣の家屋に地震の揺れ以上の甚大な被害をもたらすのではないか。
そんなことを想像しつつ、左手方向を道なりに進んでいく。
宇治神社を超えてすぐ、世界文化遺産である宇治上神社に到着した。

宇治上神社 鳥居

鳥居の右側手前にある、見るからに新しい社標。古びた墓地の中で奇妙な違和感を発する墓石を思わせる。
世界遺産に認定された際に新調したのか、それとももっと最近に新しくなったのか。

この神社には日本最古の本殿がある。

宇治上神社 本殿1 宇治上神社 本殿2
宇治上神社 本殿3 宇治上神社 本殿4
                          「こまさん。よもやこんなところでお会いするとは…」

この本殿が創建されたのが西暦1000年代中頃と推定されているそうだが、祀られているのがそれよりも800年ほど前の応神天皇や仁徳天皇、菟道稚郎子という豪華キャスト。
でも世界文化遺産に認定されたのは、おそらくこの本殿が日本で最も古いことが決め手となったのだろう。
スケールが大きくて壮観なわけでも取り立てて美しいわけでもないこの神社内を巡り、そう感じさせられる。
謂れ、つまり文字情報無しで数多くの人たちを魅了し、保存に努めさせてきたような神社ではなさそうだ。

あるいは純粋に「美」だけに絞れば、拝殿の方が良いのかもしれない。

宇治上神社 拝殿1 宇治上神社 拝殿2
宇治上神社 拝殿5-1 宇治上神社 拝殿3

拝殿の裏手から内側を伺うことができる。

宇治上神社 拝殿6 宇治上神社 拝殿7

そこに横たわっているのは、慎ましくも雄弁な様式美。
しばし眺めていた。

宇治上神社を後にし、先程の傾いた松がある分かれ道に戻る。
当然だが、松は変わらず傾いたままだ。
今度は左手ではなく右手方向に進み、宇治川の川縁に出てみる。

宇治 朝霧橋へ1

やはり眺めが良い。
青と緑とグレーが目立つ「シーン」の中、橘橋の欄干の赤が中心の座位を譲らない。
視野をずらして赤を端に追いやっても、また中心に戻ってくる。

そんな赤の吸引力に抗うことなく、橋へと近づいていく。

橋のたもとにて、日本で最も有名な女たらし色男に遭遇する。
まともに源氏物語を読んだことはないが、この男の女性遍歴には唖然とされられる。

光源氏-1 ヒカルゲンジ2

この世界には自らの子孫を残すべく、命を削ったり落としたりしてまでも生殖行為に励む生物がいる。
別に光源氏は命を削りも落としもしなかっただろうけど、その内側では絶えぬ本能が常に激しく燃えたぎっているような、実にタフなオスなのだろう。
女の敵であり、メスの味方。
無論、そんな色気の無い描かれ方などされていないだろうけど。

さて。朝霧橋。

宇治 朝霧橋

もちろん宇治橋と同じで「古いカタチをした現代的な橋」ではある。
でも、もっとこう「スッと入れる」ものがある。
「しっくりくる」でもいい。
もちろん眺めも良い。
風だって気持ちいい。

宇治 朝霧橋から1

宇治 朝霧橋から2

橋を渡り終え、橘島と塔の島に降り立つ。
葉桜となりつつある桜や今は「待機中」の紅葉、その他諸々の木々で彩られた浮島だ。
橘島には宇治川先陣の碑と柿本人麻呂の碑なるものがある。
塔の島には十三重石塔なるものもある。

宇治 十三重石塔2

なんと「魚霊」を鎮めるための供養塔として建立されたというこの塔。日本最古の石塔なのだという。
この日三度目の「日本最古」だ。
「十三重」ではあるけど、それ程の高さがあるわけではない。
五重塔のような、物理的に人の出入りのある建築物ではないから。
しかし下から見上げると、さも天空へと連なっているように見紛ってしまう。
昇天する魚たち。
呼吸が出来ずに死んでからももがき苦しんでいる、あるいは死んでから水陸ならぬ「水空両用」になる。
と、珍妙な想像をして陳腐な情景を思い浮かべてしまった。

塔の島から宇治川西岸へと渡るべく喜撰橋へ。
遊覧船にも乗れるようだ。

宇治川 遊覧船-1

橋からあじろいの道に出て、平等院表参道に。
その途上で案内に従い、平等院に到着。
本日の観光の最終目的地である。

平等院 表門-2

さすがは人気観光スポット。
平日の午前でも、無人の写真を撮ることはかなわない。

まあとにもかくにも鳳凰堂へ。ここを撮ることを、一応の最大の目的としていた。
もっとも、それ程のモチベーションを持っていたわけでもないというか、口実に過ぎなかったのだけど。

しかしいざ撮影するとなると、これが案外難しい。
デジタルカメラにもその撮影術にも疎い私だから尚更だ。
正面から鳳凰堂の全容をある程度収め、なおかつ堂の手前の阿字池をも写すとなると、どうしても自らが立つ陸地が写ってしまう。
さりとて歩を前に進めば、中心からずれた位置からの撮影となってしまう。
さらには「10円玉、10円玉」と言葉を発しながらここを撮影する他の参拝客も多く、彼らを写してしまう。
当然、同じ場所に長い時間居続けるわけにもいかない。
思いのほか苦心しながらも、何とか撮影したのが以下の写真だ。

平等院鳳凰堂1-1

そして、さしずめ鳳凰堂の春バージョンといえそうなのが以下。

平等院鳳凰堂4-3

「桜よ。助け舟をありがとう」
そう思わないわけにはいかない春の午前。


夕刻から別の市で私用があったため、観光はここまで。
ざっと調べ、ざっと巡っただけのやや慌しい道中となった。
しかし、まあ予想通りなのだが、「ざっと」ではこの地の魅力を堪能し切れない。
いつかまた、もっとゆっくりと巡ろうと思う。
その「いつか」がいつになるのか。あるいは「いつか」が本当に訪れるのか。
怠惰な男にとって、それは随分と怪しいのだけれど。

平等院鳳凰堂 鳳凰-1


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COMMENT

楽しい~っ♪
いつもと違う感じで楽しかったです! 
なんだか、自分も「宇治神社」や「平等院」を散策している気分を味わえたような♪ >_<
私も一昨日の土曜日に、京都に行ってきたんですよ♪

落ち込んでいる時に「ブルー」なんて使っちゃうなんて、本当に「青色」に対してかなり失礼だと反省してしまう景色を見せていただいて、京瑠璃さんに感謝です!
青色は、私も好きな色なんですよねぇ~っ。 >_<
白と緑と迷うくらいに・・・・。
2010/04/26(月) 22:00:03 | URL | こま #JK/.nkhc [Edit]
こまさん おはようございます

>なんだか、自分も「宇治神社」や「平等院」を散策している気分を味わえたような♪ >_<

おっ、ありがとうございます。
写真の編集に疲れてしまって後半の文章が粗くなってしまったのが課題ですが(光源氏辺りから)、それでもそう言っていただけると素直に嬉しいです。

でも、こまさん。
私はあの記事中のある箇所でこまさんに挨拶しているのに、スルーしましたね?
スネてやる…。

>私も一昨日の土曜日に、京都に行ってきたんですよ♪

どこに行かれたのでしょうか。
ブログを楽しみにしておきますよ。

>本当に「青色」に対してかなり失礼だと反省してしまう景色を見せていただいて、京瑠璃さんに感謝です!

いえいえ、恐縮です。
いつも「もっと良い写真が撮れないものか」と思いつつ、でもカメラの取り扱い説明書にも撮影術も読む気にならない不精な私です…。
とりあえず「フィーリング派」として誤魔化していますけど。

>青色は、私も好きな色なんですよねぇ~っ。 >_<
白と緑と迷うくらいに・・・・。

へ~。
単純な私は、青い空に白い雲、真緑色の草原がある風景を想像してしまいました。
ハイジ…。
2010/04/27(火) 07:09:37 | URL | 京瑠璃 #3KrfhFaQ [Edit]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/04/28(水) 19:35:26 | | # [Edit]

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蕎麦、中華そば、側(そば。つまり私たちの身近にあるもの)等、ソバ全般に関して。

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