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塩より小麦 ~新宿めんや風花~vol.1 


いきなり個人的な話で恐縮なのだが(あっ、ブログだから良いのか)、私はかつて程にはラーメン・つけ麺を食さなくなった。

どうしてなのか。何故なのか。…ここで言える理由もあれば言えない理由もある。ただし複数の要因が起因していることだけは確かで、決して一つだけしか理由が無いわけではない。
そしてその理由の一つには、私が麺の味そのものにもっとも重きを置くようになったことがある。「最終的に、麺の主成分である(はずの)小麦の味わいがどう映えるのか」。嗜好はそのような志向を持つようになり、大きく舵を切って行き先を変えることとなった。

rio_di_venezia.jpg

そして麺の味そのものに忠実になればなろうとするほど、ラーメンであれつけ麺であれ、それらの麺に対して次第に限界を感じることが増えてしまった。ここでは述べないが、麺の中に含まれるあるファクターが邪魔だと感じるに至ってしまったのだ。

それと平行し、かつてはさほど食すこともなかった蕎麦に「出会った」ことも見逃せない。ある情報誌で見かけたかね井(vol.1前編後編)の「粗挽きそば」に惹かれ、実食してみると完全に虜になってしまった。
以後、蕎麦食経験が増えるに従ってますます蕎麦の世界に引き込まれ、それに反比例するようにラーメン・つけ麺を食すこと(その後、「書くこと」)に情熱を注げなくなってしまった。

素材の旨味が高められ、同時に深められたもの。それが私のもっとも好むものとなってしまった。

が、ラーメン・つけ麺を全く食べなくなったわけではない。全部を嫌いになったわけじゃない。趣向が変われど、嫌いになったラーメン・つけ麺もあれど、そして以前の最高潮である「美味い!」は「うん。美味しいね」という程度に落ちれど、それでも諸々の理由で食すことはある。

前置きが長くなってしまった。ともあれ今の趣向を有す私でも美味しく感じるラーメンやつけ麺のことも、箸休め程度のものになるだろうけど、これからは時々記していこうと思う。

今回は新宿めんや風花に関して。




新宿めんや風花 店前

このラーメン屋、四条烏丸付近で昼食を摂る際にはよく利用させて頂いている。徒歩圏内だし、麺類を注文してから出てくるまでが早いこともメリットだ。

また、風花といえば大抵「塩ラーメン」と「接客」がクローズアップされる。
確かに塩ラーメン専門店であるし、どう見てもクセモノなご主人と笑わなければちょっと怖い顔に見えなくもない女性従業員が印象に残る。ここまでいえば、この店はある程度描写されたも同然とも思える方々もおられるだろう。

でも、それだけじゃない。

○ 海鮮塩つけ麺

昨年秋頃だったか、まあとにかくそれぐらい前から供され始めたつけ麺。平日夜と土日祝日の終日供される。
どうせいつものように期間限定モノのつけ麺なのだろうと思っていたら、思いのほか長らく供されている。
そういう運びで、この度頂いてみることにした。

新宿めんや風花 海鮮塩つけ麺


・つけ汁

中華の海鮮あんかけの餡(あん)がそのままつけ汁になったようなもの。
その粘性の強さはいうまでもないが、思いのほか動物系の味わいも強い。雑味はなく、一口辺りの量を間違えなければ、必要以上の舌への刺激もない。

・麺

「剛」と「柔」で分ければ、どちらかといえば「柔」寄りの食感を持つ自家製縮れ麺。
当然、太さや長さや硬さなどで物足りなさを感じられる方々もおられるだろう(そういう麺を好まれる方々にはあまりお勧めできないつけ麺だ)。
しかしまず注目していただきたいのは、つけ汁につけずにそのまま食した際にカン水臭さを感じさせないこと。私のラーメン・つけ麺離れの一因となったあの特有の匂いは、殆ど感じられない。
素朴な小麦の味わいに富んでいる。

・具

つけ汁中に小エビ、イカ、アサリ、豚肉の切れ端、麺上にホタテ、小エビ、味玉、ほうれん草。

・麺をつけ汁につけて食す

何せつけ汁が餡(あん)なのだから、全部浸けは回避するのが望ましいだろう。つけ汁の塩分が勝ってしまうからだ。半分かせいぜい6~8分程度で良い。

啜り上げられて口中に麺が運ばれると、まずは塩主体の餡(あん)の味わいが来る。そうして噛み進める内に、ほら、きたきた、この店の麺特有の甘い小麦のフレーバーが立ち込めてくる。
これだ。これなのだ。
スープであれつけ汁であれ、塩主体の味わいの中で小麦の甘いフレーバーが増していくこの感じが気に入っているからこそ、私は今でも風花に行くのである。むしろラーメン・つけ麺を最も好んでいた頃よりも訪問頻度が上がっているほどだ。
上で述べた「素材の旨味が高められ、同時に深められたもの」として、これを味わうことができる。
だからはっきり言って、食感など無視しているというかそもそもこの意識に上らない。どうでも良いとさえ思っている。

・スープ割

供されていない。というか、もしかすると餡(あん)を出汁で割っても上手くスープにならないのかもしれない。
その代わり、かどうかは存じ上げないが、店側は100円で頂けるライスを混ぜることを推奨している。
中華丼風にどうぞということだろうか。

あまり興味は無かったが、まあ一応ライスを注文。そして餡(あん)に投入する前に、そのままで一口頂く。
「んっ?!」。
やや水分が少なめに炊き上げられた白米がやたらと旨い。旨いのである。

もう一口か二口頂いた後に餡(あん)に投入したのだが、予想通り中華丼風の味わいとなった。安い中華料理店の中華丼よりも品のある味わいだ。
悪くない。うん、悪くはない。でも先に白飯をそのまま頂いたのが良くなかった。せっかく白飯の旨さが餡(あん)に飲み込まれているような気がしたから。
というわけで、白飯と餡(あん)は別々で頂くことをお勧めしたい。

○ (ついでに)接客

店内で禁止されているものは喫煙、携帯電話での会話、小学生未満の子供の入店。
喫煙はともかく携帯電話や子供に関しては、それぞれのお客さんの事情を鑑みると可愛そうに思えなくもない。
が、敷地面積の拾いチェーン店やレストランならまだしも、こういった小さな個人経営の店では、私にはありがたい禁止事項でもある。大人の大声も子供の嬌声も、なるべくなら小さな空間での食事中には聞きたくない類のものだ。
無論、この風花が他のお客さんのためを思って禁止事項にしたのかどうかはわからないが。

ご主人は見るからにクセモノなのだが、「いらっしゃい」と「ありがとう(ございます)」だけは言うため、概ね心配は無いと思う。
ただし女性従業員。娘さんなのか奥様なのかは存じ上げないが、この方の接客は機嫌によって大きく左右される。
この日までの数回の訪問時にはずっと穏やかな笑みを浮かべておられたが、この日は「いらっしゃいませ」もなければ笑みも浮かべていなかった。厨房でご主人の手伝いをされていたこの人に「海鮮塩つけ麺!」と注文しても、リアクションは無い。聞こえていないのかとやや不安になったが、10分後にはつけ麺が供された。
やれやれ。何があったのかは当然存じ上げないが、せめてリアクションぐらいはくださいな。

万葉苑8

スープやつけ汁の中で際立つのは、ほんのりと甘い麺=小麦のフレーバー。
この店の麺類は、そういったものに興味がおありの方々にお勧めできる。蕎麦好き(≠コシ&喉越し好き)にだってお勧めできる。
大人なのだから、大人げのないムラのある接客ぐらいは目を瞑ろうじゃないの。

(最終訪問日、2010年6月)

○ 新宿めんや風花

住所:京都府京都市下京区三軒町551(地図
営業時間:11:30~14:00 17:30~22:00
定休日:火曜、第4日曜
電話番号:075-344-6623
備考:禁煙 駐車場無し 携帯電話使用禁止 小学生未満の子供の入店お断り

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COMMENT

なかなか京瑠璃さんのトコで会う事の出来ない「らーめん(つけ麺)」の登場は、やっぱりスッゴク嬉しいです! >_<
1枚目の風景は、ベニス?
冒頭の「言えない理由」も、なんだか気になるし・・・。 

そぉなんですよねぇ。
『新宿めんや 風花』は、京瑠璃さんの近くにあるんだよなぁ。
イイなぁ~っ。 T_T
でも「近く」という理由じゃない、京瑠璃さんを未だに惹き付ける魅力がコチラにはあるんですよね。
読んでいて、尚更に羨ましい気持ちが・・・。
前に行った時に「?」と思ったんですけど、店名の「新宿」ってどうしてなんですか? @_@
中華餡的なつけダレも面白いっ♪

苔のある景色も好きです。 >_<
2010/06/22(火) 09:46:00 | URL | こま #JK/.nkhc [Edit]
こまさん こんばんは

>1枚目の風景は、ベニス?

そうです。が、嗜好が変わりつつある当時の私の心象風景ということにしておきましょう。

>でも「近く」という理由じゃない、京瑠璃さんを未だに惹き付ける魅力がコチラにはあるんですよね。

実を言いますと、割と消去法的な選択で風花に行っています。
あの界隈で昼食を摂らざるを得ず、時間もあまり無いときに「仕方がないから、風花にでも行くか」という具合に。
でも訪問後はいつも、「ここはやっぱ小麦のほんのり甘いフレーバーが良いんだよなぁ」と一定以上の満足感を得る感じですね。
あと、今日の風花の機嫌は良かったとか悪かったとか。あはは。

>前に行った時に「?」と思ったんですけど、店名の「新宿」ってどうしてなんですか? @_@

仮に新宿に出るようなことがあっても、どんな強面の人たちとも対等に渡り合えるようにとの思いが込められているそうです。

って、嘘です。私も存じ上げません。
北海道の塩ラーメンを云々という話ならば耳にしたことがありますが…。

>中華餡的なつけダレも面白いっ♪

あれも含め、なかなかお勧めのつけ麺ですよ。
たとえこまさん達のお好みにヒットせずとも、何せ珍しいものですからね。

ネックなのは、麺量を選択できないこととスープ割がないことです。

>苔のある景色も好きです。 >_<

庭園系の写真は腐るほど持っていますよ。
ある意味では、京都という土地柄ってやつですかね。
2010/06/23(水) 19:11:35 | URL | 京瑠璃 #3KrfhFaQ [Edit]

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蕎麦、中華そば、側(そば。つまり私たちの身近にあるもの)等、ソバ全般に関して。

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